大学の講師が勧める盗聴器を使用した浮気調査


私の通っていた大学はミッション系の大学だったので、宗教の授業が必修となっていた。授業は現役の牧師様が大学に来られて講義をするのだが、私のクラスを担当してくださった牧師様はまだ若く、牧師様というよりは高校の担任教師といった感じの方で、雑談などを交えた講義をして下さった。その日はキリスト教における愛についての講義だったと思うのだが、授業内容から話は逸れ、なぜか浮気と離婚についての話となってしまった。私は、その後に牧師様が話された内容が衝撃的すぎて、今も忘れられないでいる。 その内容とは、こうである。夫が浮気をしているようであれば、これはチャンスなのですぐに浮気調査をすべきである。探偵社に頼むのも良いが、自分で夫が浮気相手と行きそうな飲食店やホテルなどに出向き、盗聴器を仕掛けておけば探偵を雇う手間も省けるし安上がりである。それに間に探偵を挟まない分、時間も短縮できるかもしれない。もし設置費用に百万円かかったとしても、落ち度は夫にあるので慰謝料でそれ以上の金額を貰えば済む話である。浮気男とも別れられる、自分は慰謝料が手に入る、こんなチャンスはないだろう、と。 自分で浮気調査をする、しかも飲食店やホテルに盗聴器をしかけておくなど、大学に入りたての私にとってこの話は衝撃的すぎた。それと同時に、愛について説いている牧師様がこんなことを言って良いのかと当時は混乱してしまった。大学も卒業し、その話も忘れかけた頃、テレビを見ていた私は自分の目を疑った。素人の新婚さんをスタジオに招いてトークをする番組に、その牧師様が奥様と出演していたからだ。照れ臭そうに奥様との馴れ初めを話す牧師様に、私はそっと、牧師様が奥様に浮気調査をされて盗聴器など仕掛けられませんように、と祈った。

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